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行政書士法人 IPPO2026年10月1日、「永住許可に関するガイドライン」の改定が入管HPに掲載されました。
参照:永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定) | 出入国在留管理庁
今回の改定では、これまで永住許可の審査で考慮されてきた事項がより具体的に示されるとともに、収入、年金、税金、社会保険、日本語能力、日本のルールへの理解、子どもの就学など、確認されるポイントがより明確になりました。

新しいガイドラインは、原則として2027年4月1日以降に申請する永住許可申請から全面的に適用されますが、一部例外があります。それは「収入」と「公共の負担に関する事項」です。これらについては、2026年4月1日から2027年3月31日までに申請した案件についても、新しいガイドラインの考え方が適用されます。そのため、すでに申請している方や、これから申請を予定している方も、今回の改定と無関係とは言えません。

これまでの永住審査でも、安定した収入があることは重要でしたが、今回のガイドラインでは、原則として、申請者が属する世帯の年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが考慮されることが明記されました。ここでいう「世帯」は、住居と家計を一緒にしている人の集まりです。そのため、永住申請者本人の収入だけではなく、同じ家計で生活している家族の収入も関係する場合があります。「自分の年収がxx万円あれば必ず許可される」という単純な基準ではありません。世帯人数や家族の状況などを含めて判断されます。
参考として、厚生労働省の「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」によると、2024(令和6)年の1世帯当たり平均所得金額は、「全世帯」が575万2千円でした。また、「高齢者世帯」が336万1千円、「高齢者世帯以外の世帯」が700万7千円、「児童のいる世帯」が857万3千円でした。
参考:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/dl/03.pdf
ただし、この収入額が最低基準になると公表されたわけではないため、「超えているからOK」「下回っているからNG」と判断するのは適切ではありません。
今回のガイドラインでは、年金についても、より具体的な考え方が示されました。現在までの年金加入状況だけではなく、将来受け取ることが見込まれる年金額についても考慮されます。「将来受け取ることが見込まれる年金額」とは、「日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その期間、厚生年金に加入していた場合において将来受給可能な年金の見込額」を指し、これに達しているかが考慮要素となってきます。
また、将来の年金額が一定水準に達しない場合でも、それを補うことができる金融資産を持っている場合には、その点が考慮される仕組みが示されています。
そのため、永住申請では、現在の年金の支払い状況だけでなく、これまでの加入状況なども確認することが重要になります。
なお、この受給年金水準および補填資産額についても、収入と同様に、原則として同一生計世帯単位で判断します。
住民税や所得税といった各種税金だけではなく、公的年金や公的医療保険などの「公租公課」について、適切に支払っているかが明確に示されています。
さらに重要なのは、申請時点で未納がなければ問題ない、というわけではないことです。過去に滞納処分を受けた、1日でも支払いが遅れたことがあるなど、過去に適切に支払っていなかったことが確認された場合は、原則としてマイナスに評価されます。また、この点は原則として同一生計世帯単位で審査されます。
永住申請を考えている方は、税金だけでなく、年金・健康保険についても、「現在支払っているか」だけではなく、「これまでも適切に支払ってきたか」を確認することが重要です。
また、会社からの特別徴収ではなく、自身で支払っている場合(普通徴収)は、支払った際の領収書を必ず保管するようにしておいてください。

今回のガイドラインでは、日本語能力についても明確に記載されました。具体的には、
日本語教育の参照枠におけるB1相当以上の日本語能力が考慮されます。なお、JLPTでは概ねN3からN2程度のレベルが一つの目安と考えられています。
ただし、すべての人に一律にB1以上が求められるわけではありません。例えば、高度人材外国人やその家族、日本の学校教育を一定期間受けた方などについては、B1相当以上の日本語能力を求める必要性がない場合があるとされています。つまり、日本語能力についても、申請者の経歴や家族関係などを踏まえて判断されることになります。

参照:文化庁ホームページ93841301_04.pdf

参照:日本語能力試験HP CEFRレベル参考表示 | 日本語能力試験 JLPT

新しいガイドラインでは、日本の制度やルールを理解しているかについても考慮されることが明記されています。「生活・就労ガイドブック」(生活・就労ガイドブック | 出入国在留管理庁)に記載されている内容などを中心に、日本の制度・ルールについて一定程度理解しているかが確認されることがあります。
また、申請者が義務教育の年齢にある子どもを養育している場合には、その子どもが小学校または中学校に通っていることも考慮されます。
今回のガイドラインでは、長期間の出国についての考え方もより明確に示されました。
永住許可は、「日本を生活の本拠として安定的に生活していること」が前提となるため、日本での在留状況についても確認されます。永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)では、過去の出国状況が永住許可の判断材料となることが明記されています。
具体的には、申請時点から過去10年以内において、合理的な理由なく、
には、永住許可の判断において消極的な事情として考慮される可能性があります。
ただし、海外赴任や留学、家族の介護、療養その他のやむを得ない事情がある場合には、その事情も含めて個別に判断されます。単に「長期間出国していたから直ちに不許可になる」というものではありません。
そのため、永住申請を検討している方は、税金や年金の納付状況だけでなく、ご自身の出入国履歴についても事前に確認しておくことをおすすめします。特に海外と日本を頻繁に往復している方や、長期間海外に滞在した経験がある方は注意が必要です。
永住許可では、現在持っている在留資格の在留期間も重要です。
新しいガイドラインでは、原則として、現在の在留資格について最長の在留期間を持っていることが考慮要素とされています。
ただし、経過措置があり、2027年3月31日までの申請については(原則10年在留特例等を利用する場合を含む)、在留期間「3年」の方も「最長の在留期間をもって在留している」として扱われます。そのため、現在3年の在留期間を持っていて永住申請を希望される方については、2027年3月31日までの申請をおすすめします。

今回の改定で特に重要なのは、これまで審査で確認されていた事項が、より具体的な形でガイドラインに示されたことです。
これまでの内容をまとめると、「過去・現在はもちろんだが、将来にわたって安定して日本で生活できるか」という視点で準備することが重要です。
なお、今回の改定には経過措置があるため、「2026年10月1日からすべての永住申請が新基準になった」というわけではありません。また、現在お持ちの在留資格によっては、要件が緩和される特例の対象となる場合もあります。
永住申請を検討している方は、税金・年金・健康保険などの支払い状況や、現在の在留期間などを早めに確認することをおすすめします。
また、これまで見てきて分かる通り、今回の改定により、永住申請では確認すべき事項がこれまで以上に多くなっており、「自分の場合はどの基準が適用されるのか分からない」「現在の状況で永住申請をして問題ないのか」といった悩みや不安を抱かれることもあるかと思います。
行政書士法人IPPOでは、これまでにも多くの永住申請を扱っており、許可の取得実績もございます。現在の在留状況やこれまでの在留歴、税金・年金・健康保険の納付状況などを確認したうえで、一人ひとりの状況に応じてご案内させていただきます。
永住申請をご検討中の方や、改定によってご自身の申請にどのような影響があるのか分からない方は、ぜひ一度IPPOへご相談ください!
