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行政書士法人 IPPO日本にいる外国人の方が、自分の国にいる家族を日本に呼び寄せたい場合、その家族との身分関係(自分の妻なのか、子どもなのか、親なのか…など)によって当てはまるビザが違います。
親が先に日本にきて、やっと生活が安定したので母国から子どもを呼び寄せたいという相談が受けることが多いですが、15歳以上の子を呼ぶ場合、15歳過ぎた子(義務教育終了)をなぜ日本に呼ぶのか、日本での生活はどうするのか、アルバイトをさせるために呼ぶのではないか・・等、入管での審査がとても厳しいです。
確かに、日本で外国人の子の未就学の問題や日本語の習得の問題があります。又、母国と日本の教育制度や考え方も違います。
今まで頑張ってきた方が、これから子どもと一緒に日本で生活をしたい、子どもの将来のためにも日本で生活をさせたい、そう思う方も多くいらっしゃるかと思います。その願いが叶い、日本で家族が一緒に生活ができるためにも、申請する時期を含めて是非一度考えてみてください!
そこで今回は、呼び寄せしたい人のケース別にどのようなビザの種類があるのか、それぞれのポイントを説明します。
兄弟姉妹、いとこ、親戚を日本に呼びたい場合、日本にいる外国人の家族として長期滞在できるビザは原則ありません。基本的に「短期滞在」ビザでの来日になります。
短期滞在ビザは、在留できる日数が最大90日間で、観光や知人・親族訪問、結婚式への出席、講習や会議への参加、短期留学などを来日の目的とするビザです。
現状では、来日後、急な出産や葬儀に立ち会うこととなった場合や重い病気や怪我をしてしまった等、特別な事情がある場合をのぞき、短期滞在の期間更新はできません。
短期滞在ビザは、日本で就労することはできません。兄弟姉妹やいとこ、親戚が日本で長期在留し働きたいのであれば、日本にいる外国人の家族としてではなく、単独の資格で就労ビザなどを取得しなければなりません。
長い間、日本で生活する外国人の方で、自分の国にいる親の面倒が心配になり、日本で一緒に生活できないかと考える方もいらっしゃいます。残念ながら、原則、親と一緒に生活するための長期在留ビザはありません。①の場合と同じように「短期滞在」ビザの範囲内で呼び寄せることが多いです。
ただし、以下の4つの条件を満たすことにより、特別な対応として、その親が短期滞在での来日後、特定活動ビザへの変更が認められ、日本に長期在留できる可能性があります。しかし、許可事例はそれほど多くはなく、難しい申請と言えます。
①親の年齢が70歳前後であること(※1)
②本国や日本以外の国において、配偶者や子など親の面倒を見る者が誰もいないこと
③その親が日本での就労を予定していないこと
④日本に在留する子どもが親の面倒を見るだけの安定した収入があること
※1 重い病気にかかっている場合は年齢の条件を少し下げられます。
また、日本に在留する外国人のビザが、高学歴、高収入などを評価された「高度専門職」ビザである場合も特定活動ビザで親を日本に呼び寄せることができます。
ただし、妊婦や7歳未満の孫の面倒をみる場合に限られるなど条件が厳しく、孫が大きくなれば帰国しなければいけませんので、事前によく検討することが必要です。
その他の方法としては、やはり家族関係に頼らない方法で長期在留ビザを取得しなければなりません。
①②の通り、兄弟姉妹、いとこ、親戚、親などは「家族滞在」ビザには適用されません。
家族滞在ビザの対象は配偶者と子どものみなので、注意が必要です。
配偶者を日本に呼びたい場合、呼ぶ人の属性によってビザが異なります。
呼ぶ人が日本人で、その配偶者を日本に呼びたい場合は、「日本人の配偶者等」ビザで日本へ呼び寄せることができます。
呼ぶ人のビザが永住者で、その配偶者を日本に呼びたい場合は、「永住者の配偶者等」ビザで日本へ呼び寄せることができます。
呼ぶ人のビザが定住者で、その配偶者を日本に呼びたい場合は、「定住者」ビザで日本へ呼び寄せることができます。
上記以外のコックさんなどの「技能」、技術者や通訳者などの「技術・人文知識・国際業務」やその他就労ビザを持つ方、大学や専門学校に通うために「留学」ビザを持つ方の配偶者は「家族滞在」ビザで配偶者を日本に呼び寄せることができます。
※日本語学校に通うために「留学」ビザを持つ方は、残念ながら上記のケースには当てはまらず、配偶者を「家族滞在」ビザで呼び寄せることは出来ません。
配偶者の呼び寄せについては、偽装結婚ではないこと、日本国の不利益にならず生計を維持できること(生活保護者になってしまう・犯罪を起こしてしまう・生計を維持できるスキルがないなど)を証明することがポイントになります。
離婚歴が多かったり婚姻期間が短かったり婚姻までに数回程度しか会っていなかったりすると申請書類に十分な説明を添付する必要があります。
ゲイ(男性同性愛者)やレズビアン(女性同性愛者)などの方が、本国法において正式に結婚し、パートナーとなった場合、「特定活動」ビザによってパートナーを呼び寄せることができます。ただし、単に同性婚として結婚するだけでなく、その他特別な事情を考慮して、許可されます。
本国で同性婚が認められていない場合、この特定活動ビザを取得することができません。将来、同性婚が法律上認められるようになれば、この特定活動ビザで同性のパートナーと一緒に日本で暮らせるようになるでしょう。
現時点で同性のパートナーと同居できる方法としては、パートナーの身分ではなく、それぞれ単独の資格でビザを取得し、同居する方法しかありません。
孫については、祖父や祖母が日本人や日系人である場合に限って呼び寄せることができます。その場合、定住者ビザとなります。
子どもについては、親が「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」、「永住者」のビザを持っている場合、その子どもが未成年で未婚の実子であれば「定住者」ビザで日本に呼び寄せることができます。なお、子どもが未成年で未婚の時に来日し、来日後に成人し結婚をしても定住者としてビザが更新される可能性は十分にあります。
成年年齢の引下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」の成立を受け、定住者ビザに規定する「未成年」については、現行の20歳未満から18歳未満に変更になり、令和4年4月1日から実施されます。
令和4年4月1日から、18歳以上の方は「未成年・未婚の実子」として新規に在留資格「定住者ビザ」で日本に入国することができなくなります。現在、17歳以上の方で「未成年・未婚の実子」として日本への入国をお考えの方は、2021年12月末までを目安として、時間に余裕をもって在留資格認定証明書交付申請をすることをお勧めします。
日本人の実子であれば、「日本人の配偶者等」のビザがもらえます。その子が日本国籍を持っている場合、ビザは不要です。
親が就労ビザや大学や専門学校に通う留学ビザを持っている場合、「家族滞在」ビザで子どもを呼び寄せることができます。この場合、子どもが20歳をこえて成人したらビザがもらえないということはありません。ただし、既に学校を卒業している、年齢が高くなりすぎると親から扶養を受ける必要がないと入管に判断されるため、ビザをもらえない可能性は非常に高くなります。
家族滞在ビザは、配偶者や子を扶養することを目的としています。そのため、家族を扶養しながら日本で生活できる程度の収入、安定的な生活状況の証明が必要です。原則として留学生は日本で就労することができないため、資格外活動許可を得てのアルバイトや本国からの仕送り、預貯金、奨学金の有無などを総合的に判断して家族を扶養することができるかどうか判断されます。
養親が日本人であること、「永住者」ビザ、「定住者」ビザの場合、その養子が6歳未満であれば「定住者」のビザで日本に呼び寄せることができます。また、養親が日本人であって6歳未満の子どもが日本の裁判所で特別養子(※1)として認められた場合、ビザは「日本人の配偶者等」となります。
※1 特別養子縁組とは、原則として子と実の親との親子関係が消滅し、戸籍上、養親となる者の嫡出子(婚姻関係にある者の間に出生した子)の身分を取得します。
養子が6歳以上の場合、上記の定住者ビザに当てはまらず、その他にも該当する在留資格がありません。6歳以上になってしまった場合、日本に呼ぶことはできないのか?という質問を受けることがあります。
養子の年齢が幼いこと、養育の必要性、他に扶養する人がいないことなど様々な事情を詳細に説明し、告示外の定住者として認められるケースはあります。なお、この場合は一度「短期滞在」ビザで来日し、そこから在留期間中に、定住者への「在留資格変更許可申請」をする必要があります。日本に来る前から書類の準備等をし、申請することをお勧めします。
養親のビザがコックさんなどの「技能」、技術者や通訳者などの「技術・人文知識・国際業務」やその他就労ビザを持つ場合や「留学」ビザを持つ場合、養子の年齢に制限はなく、呼び寄せることが出来ます。その場合、「家族滞在」ビザとなります。
ただし、その養子の面倒を見てきた実績も重要です。なぜなら、このビザは親が養子を扶養するためにもらえるのであって、ただ単に日本に呼びたいから養子にしたという理由ではビザをもらうことはできません。
以上になります。「家族」といっても全てが家族滞在ビザに該当するのではなく、呼び寄せする側、される側の身分関係やその他条件により変わってきます。
家族関係ではなく、単独で就労ビザなど他のビザを目指すこともできます。取得したビザによっては活動内容が制限されるため、目的に合った適切なビザを選択するように気を付けてくださいね。
当事務所は、『日本で暮らす外国の方々が、日本で安心して生活でき、未来に希望が持てるようサポートすること』を理念とし、以下の点を大切にしています。
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