技術・人文知識・国際業務の契約形態について。アルバイト、パート契約、契約社員や派遣社員でも取得できる?

2025年7月11日

 在留資格「技術・人文知識・国際業務」で就労ビザを得るために在留資格該当性が肯定されるには、まず「本邦の公私の機関との契約に基づく活動」であることが求められます。

 ここでいう「契約」は「外国人本人」と交わすこととされ、例えば本人と日本の企業との間で契約関係が存在しない状態で、外国の企業と日本の企業との間の契約のみに基づいて就労する活動は、「本邦の公私の機関との契約に基づいて」行うものはいえず、不法就労となります。(※)ただし、その記載から外国人自身と本邦の公私の機関との間の契約関係が存在に係る事実が明らかになるのであれば、本人と機関との契約関係の立証資料として認められます。

 そして「契約」には雇用のほか、委任、委託、嘱託等が含まれますので、アルバイトや契約、派遣社員又は業務委託でも認められる可能性がある、といえます。

ただし、契約は特定の機関(複数でも可)との継続的なものでなければならず、申請許可後も安定的かつ継続的に当該活動を行い続けられる見込みがあることが、在留資格該当性として求められます。

例えば建築士の資格を有する外国人が契約して建築物設計する場合に、個々の契約は1回限りだったとしても、継続的にそのような依頼があるときは、建築物の設計という活動により日本で安定した生活を営むことができるので、「契約」にあたります。

これを「活動の安定性・継続性」といい、契約形態ごとにその強度は変わってきます。

契約社員(安定性:やや低い)
・有期の直接雇用契約。
・契約更新があれば安定性を保てるが、契約の更新がない場合には更新できない可能性がある。 

派遣社員(安定性:やや低い)
・派遣会社と有期契約を結び、派遣先で働く形態。
・契約延長や派遣先の都合により就労が不安定になることもある。

業務委託(安定性:やや低い)

・雇用契約を結ぶのではなく,特定の業務を遂行することで報酬を得るタイプの労働形態。

成果物に対して報酬が支払われる。(請負契約、委任契約、準委任契約)

アルバイト・パート(安定性:低い)
・有期契約で短時間労働が中心で、労働時間に応じて給料を得る労働形態

就労資格をもって在留する場合、当該契約に基づいて一定の活動を行うことによって日本で安定した生活を営めるだけの収入を得られることが、在留資格該当性(活動の安定性・継続性)として求められます。

正社員であれば雇用の安定性・継続性は高く見られる可能性はありますが、業務委託契約に基づく就労や派遣就労の場合は安定性・継続性はやや低くなると評価されることがあり、契約期間は短くとも1年以上が好ましいでしょう。

業務委託契約とする場合には、委託された業務を行う事務所の規模は問われないものの、業務委託報酬は年間で300万円程度以上が保証される内容であるのが望ましいです。在留期間更新許可申請時において、年間にどれくらいの業務量を受託したかについては、確定申告書や、請求書等を提出します。

派遣就労の場合は、派遣元(雇用主)の業務ではなく、派遣先において従事する業務内容が審査され、活動の継続性の観点から、原則として常用型派遣である必要があります。

※登録型派遣であっても、許可に係る在留期間内に派遣元との雇用契約に基づき、特定された派遣先において、在留資格該当性がある活動を行うことが見込まれる場合は差し支えありません。

 アルバイト・パートの場合は、契約形態そのものは問題ではありませんが活動の安定性・継続性の観点から認められることは難しく、

・高時給の専門職パートタイムで生活できるレベルの年収(例:年収240万円以上)

・雇用契約書で雇用期間・業務内容・給与が明確に記載されており、かつ継続性がある。

・会社が入管への説明責任を果たす意思がある

などのような場合は審査対象となる可能性はありますが、上記に該当しない場合には厳しいものとなるでしょう。

契約社員・派遣社員の就労ビザの取得条件は以下の5つです

(①②③の詳細は以前の記事を参照ください)

当該機関の事業が法令を遵守して適正に行われ、かつ安定性及び継続性の認められるものでなければならなりません。

例えば労働者派遣事業を営む企業は労働者派遣法に基づく厚生労働大臣の許可を受けていることが求められます。

他、売り上げの多寡、組織形態、組織規模、設立年度等が重要となります。

海外進出を視野に入れている、海外取引をする場合など、外国人を雇用する必要性が明確になっていれば許可される可能性は高くなります。

契約社員・派遣社員として働く際のリスク

なお、雇用契約期間が5年を超えると無期労働契約への転換を要求できる「5年ルール」といわれる制度は外国人にも適用されますが、無期転換は被雇用者から要求するものであるため、制度の存在を外国人本人が知っておくことが大切です。

まとめ

技術・人文知識・国際業務の契約形態について、アルバイト、パート契約、契約社員や派遣社員でも取得できるかというと、外国人本人との契約形態は問題とならないが、業務内容に注意する必要があり、正社員以外は活動の安定性・継続性がより重要となるとういことです。

以上、技術・人文知識・国際業務について関連記事もご参照ください。

お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

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